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東鎌尾根を通って(表銀座1日目)
                                 
中房温泉から燕岳


 2011年8月1日から8月5日に、中房温泉から、燕岳、大天井、西岳、東鎌尾根、槍ヶ岳、そして上高地に至るまでの中年登山の記録です。今年は、天気のいい日が少なく、台風も近づいていて迷ったのですが、天気予報を見ると、このあたりが天気が回復しそうだということで思い切って登ることにしました。30歳の時は、同じコースを2泊3日で行ってきたのですが、今回はなんと4泊5日の山行になりました。20年のブランクというのは、大きいものだと感じました。今の私にとってやっとの行程でした。東鎌尾根は、昔は怖くなかったのですが、今回は怖さを感じました。年なのか、朝食をしっかりと食べなかったせいか、ふらふらして怖さを感じる、さらにふらふらすると、その悪循環に入り込み、やっとの思いで槍ヶ岳に着いたのを思い出します。今回は、そんな中年男が、4泊5日の表銀座に挑戦した山行を記載してみたいと思います。
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 早朝5時頃、豊科駅の近くにある南安タクシーに向かいました。小雨が降る中、思い切って登ることにしました。このところ天気が悪く、台風も近づいていたけれどここで行かなければ機会がないだろうと思い決心したのです。豊科から中房温泉まで9000円くらいでした。自分の車を沢渡に持っていってもらうのに9000円くらいかかるので、合計20000円近くかかってしまいます。一人で行くには痛い出費でした。南安タクシーではこんなサービスをやっているので複数人数で行くときは、リーズナブルだと思いますが? 朝6時には中房温泉に着いたでしょうか。雨は何とかあがり、少しガスっている中を登ることになりました。暑いよりいいかなと思いながら登り始めました。第一ベンチまで一気の登りです。今回はニコンのデジタル一眼を持って、さらに、GPS機能をつけて登ってみることにしました。


【登山口−AM 6:00出発】

 登山口には、きれいなトイレも完備されていました。合戦小屋までトイレがないので、朝も早いので、トイレに行ってからスタートしました。山登りは20年ぶり、山に登ると膝をよく痛めていたので不安を抱えてのスタートになりました。今回は膝痛対策に、ダブルストック、登山専用膝用サポーター、そして、市販の物ではなく、整形外科に行って湿布と飲み薬を多めにもらってきました。おかげさまで今回の山行では、膝を病むことはありませんでした。しばらく登ると第一ベンチ(休憩所)につきました。水飲み場があって、そこでアルプスから湧き出る地下水を飲むことができます。花崗岩の中から湧き出る水、きっとミネラル分が豊富でしょう。


【水飲み場−AM 6:52着】

 しばらく休んでから、7時過ぎくらいだったでしょうか、再び登り始めました。体も少しずつ慣れてきて、気持ちよく登ることができるようになりました。今回は単独登山、高山植物や景色を撮ったり、趣味の小石を拾ったりとゆっくりと登りながら自然を楽しむことができました。今回の登山が、素晴らしい出会いの登山となることは、このときは夢にも思っていませんでした。


【第2ベンチ−AM 7:50着】
 体は慣れてきたものの、やはり少しずつきつくなってきました。早く、合戦小屋について冷たいスイカが食べたいと思いました。合戦小屋の冷たいスイカは有名ですね。それを楽しみに、もう一息頑張ろう。それでも30年ぶりの山行、少しずつですが登っている自分に喜びを感じてきました。



 第三ベンチ【AM8:37】、富士見ベンチ【AM9:32】と確実に登っています。ただ、パンフレットにある所要時間から見ると、どうも1.5倍の時間がかかっているような気がします。これでは、これからの山行の所要時間は、登山マップの所要時間を1.5倍して見通しを持って登らないと、中年にとっては危険かも?まあ、いいか何とかなるかとも思っていました。


【合戦小屋−AM 10:34着】

 合戦小屋に着くと、先ほど途中で声をかけていただいた一人の方が、また、声をかけていただき、スイカを一緒に食べることになりました。スイカを売っている人とも楽しく話ができました。今回は、お互いに単独登山であること、写真を撮りに来たことなど話している内に、一緒に表銀座をやりましょうということになりました。これからが私にとって、本当に楽しい山行の始まりになったのです。この素敵な出会いが、生きてて良かった(深い意味はありません)。思い切って登山に来て良かったと心の底から思わさせていただくことになりました。その方は宮城県の方でお年を聞いて人生の大先輩ということが分かりました。また、災害の時の津波から逃げる様子をお聞きして、自分の理解を遙かに超えていることが現実に起こっていることを知りました。災害に対して自分の発する言葉があまりにも軽く感じられて、恥ずかしさを感じました。後でネットで宮城県の災害について調べてみました。気仙沼・南三陸・石巻・仙台と画像を見ました。その方の住んでいる多賀城市の津波の被害の様子も出ていました。この文を書いているのは2012/03/25ですが、石巻工の阿部翔人キャプテンの選手宣誓、涙が出てきました。ネット上で話題になっていますが、私は心から感動しました。私も最後まであきらめない…絶対。
ネット上ですので、Kさんということで、二人の山行も含め書いていきたいと思います。



 燕山荘に着いたのが、【PM 12:40】でした。ということは、登山マップ上4時間のコースを6時間40分ということになります。後半、若干の雨に降られましたが、傘をさす程度で済みました。冷えた体を温めるために、熱いコーヒーとうどんをいただき、冷たいビールも…。そして、1時間くらい休憩した後、【PM 2:30】燕の頂上に向かいました。片道1時間程度のコースだったと思います。下にKさんに撮ってもらった写真を含めて掲載しました。



 燕の頂上に着いたのが、【PM3:30】でした。ガスがかかっていて青空は、見えませんでしたが、雷鳥を見ることができました。様々な高山植物も見ることができました。心癒やされるお花畑も見ることができました。父が亡くなって2年、生前「俺が死んだら、俺の灰を燕のお花畑にまいてくれ」という約束を守るための今回の登山でもありました。本物の遺灰というわけにはいきませんので、仏壇の灰を持ってきました。お花畑に少しまいて、父の供養と今回の素敵な出会いに感謝して手を合わせました。心残りだった父と約束を果たすことができてほっとしました。小屋に戻ったのが【PM4:40】位だったでしょうか。その後夕食でした。一日の山行に感謝しながらビールをいただきました。とてもおいしかったです。夕食の後、外の景色を見に出ました。先程までガスで見えなかった燕岳を見ることができました。また、夜8時から食堂で、燕山荘のご主人のお話や、アルプホルンの演奏を聴いてゆっくりと過ごすことができました。

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今回、持っていったカメラ


GPS用キット Nikon GP-1







石巻工の阿部翔人キャプテンの選手宣誓


 「宣誓。東日本大震災から1年。日本は復興の真っ最中です。 被災をされた方々の中には、苦しくて心の整理がつかず、今も 当時のことや亡くなられた方を忘れられず、悲しみに暮れている方が たくさんいます。人は誰でも、答えのない悲しみを受け入れることは、 苦しくて、つらいことです。 しかし、日本が一つになり、その苦難を乗り越えることができれば、その先に必ず大きな幸せが待っていると信じています。だからこそ、 日本中に届けます。感動、勇気、そして笑顔を。見せましょう。日本の底力、絆を。われわれ高校球児ができること、それは全力で 戦い抜き、最後まで諦めないことです。今、野球ができることに感謝し、全身全霊で、正々堂々とプレーすることを誓います。」
            


           
本日のお気に入り高山植物


コマクサ

コマクサ

タカネノツメクサ

エゾシオガマ

タカネスミレ

コケモモ

ハクサンシャクナゲ

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